井上 達夫
ニュースレター:獅子吼の正義―井上達夫の法哲学塾
▷東京大学名誉教授。法哲学 ▷主な著作に『法という企て』(東京大学出版会、和辻哲郎文化賞受賞)、『世界正義論』(筑摩選書)、『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』(毎日新聞出版)、『普遍の再生』(岩波現代文庫)、『増補新装版 共生の作法』(勁草書房、サントリー学芸賞)、『悪が勝つのか?』(信山社)など
プロフィール詳細
経歴
1954年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業後、東京大学助手、千葉大学助教授を経て、1991年東京大学大学院法学政治学研究科助教授、1995年より2020年3月まで同教授。現在、東京大学名誉教授。
専門領域
法哲学
主な著作・活動
『法という企て』(東京大学出版会、2003年、和辻哲郎文化賞受賞)、 『現代の貧困――リベラリズムの日本社会論』(岩波現代文庫、2011年)、 『世界正義論』(筑摩選書、2012年)、 『自由の秩序――リベラリズムの法哲学講義』(岩波現代文庫、2017年)、 『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください――井上達夫の法哲学入門』(毎日新聞出版、2015年)、 『憲法の涙』(毎日新聞出版、2016年)、 『立憲主義という企て』(東京大学出版会、2019年)、 『普遍の再生――リベラリズムの現代世界論』(岩波現代文庫、2019年)、 『規範と法命題――法哲学の規範理論的基礎』(木鐸社、2021年)、 『増補新装版 共生の作法――会話としての正義』(勁草書房、2021年)、 『増補新装版 他者への自由――公共性の哲学としてのリベラリズム』(勁草書房、2021年)、 『ウクライナ戦争と向き合う――プーチンという「悪夢」の実相と教訓』(信山社、2022年)、 『悪が勝つのか?――ウクライナ、パレスチナ、そして世界の未来のために』(信山社、2025年)など
ニュースレター:獅子吼の正義――井上達夫の法哲学塾
配信内容
井上達夫と申します。法哲学者として、長年、研究教育に従事し、学術的な著作を刊行するとともに、現代の日本と世界で生起する現実的諸問題についても、言論活動をしてまいりました。
このたび、オーサーシップ社のプラットフォームの場をお借りして、私のニュースレター配信欄「獅子吼の正義――井上達夫の法哲学塾」を開設することになりました。
配信予定
月3本程度
国際 ·一部サポーター向け
【論点の地図】(2026年1月号)ヴェネズエラ侵攻の何が問題か――「民主化」の名の侵略を退ける
話題は追っているが、いま何が論点なの?――「論点の地図」は、その月のニュースレターの内容を見取り図として整理する保存版です。主要な論点/構図/経緯/いま注目する点などをコンパクトに押さえます。必要なときに戻ってご参照できます。(文責:編集部) ※今号は途中から有料です。 目次 【1】1月配信の核心 【2】1月配信の記事(4本) 【3】1月の要旨 【4】
井上 達夫, Authorship編集部 ・
政治
Coffee Break☕ 高市首相は「国王大権」を簒奪している ――「解散は首相の専権」という暴論を駁す
ヴェネズエラ侵攻問題について4回の配信で肝所を論じました。この後、ウクライナ戦争論に戻るつもりでしたが、いま日本政治が、高市首相の衆議院解散による総選挙という突風に曝されています。法哲学者として座視していられない重大な問題がここにあるので、Coffee Breakを延長してこの点を論じます。 「大義なき解散」よりも、「大義なき解散でもやり得できる日本」こそが問題 1月23日、通常国会の冒頭に、高市首相により衆院抜き打ち解散が決行されました。投開票日は2月8日、解散からの期間はたったの16日間で戦後最短、野党に選挙準備期間を与えず「高市人気」が高いうちに自民の議席拡大をめざすという「党利党略」が見え見えの解散です。
井上 達夫 ・
国際 ·一部サポーター向け
Coffee Break☕ ヴェネズエラ侵攻の何が問題か(4)――トランプの権威主義体制温存戦略が強める「資源の呪い」
石油大国ヴェネズエラは、なぜ貧困と抑圧から抜け出せないのか。トランプ政権の「体制温存」が「資源の呪い」を強める構図を検証する。※今回、途中から有料になります。 目次 * チャベス主義体制の変質――「21世紀の社会主義」から権威主義体制へ * 権威主義体制の政治的利用価値 * 政治体制を不安定化・抑圧化させる「資源の呪い」 前回、最後に述べたように、「21世紀の社会主義」を目指したチャベス政権は、世界最大と言われる豊かな石油資源に恵まれながら国民が窮乏し続ける「
井上 達夫 ・
国際 ·一部サポーター向け
Coffee Break☕ ヴェネズエラ侵攻の何が問題か(3)――トランプの「ジャイアン主義」を駁す
トランプ政権が掲げる「ヴェネズエラ侵攻の大義」の一つ、石油権益確保論は正当化できるのか。本稿では「ヴェネズエラの石油は米国のものだ」という主張を、法哲学と国際法の観点から検証し、その論理的破綻を明らかにします。※今回、途中から有料になります。 目次 * 「ヴェネズエラの石油は米国のもの」という主張の「哲学的論拠」 * ロックは、トランプ流ジャイアンを支持せず * なぜチャベスは外国石油企業の資産を国有化したのか ヴェネズエラ侵攻について三回目の配信です。トランプ政権が掲げる三つの「大義名分」の最終項目、
井上 達夫 ・
国際 ·一部サポーター向け
Coffee Break☕ ヴェネズエラ侵攻の何が問題か(2)――麻薬犯罪訴追論と民主化促進論の嘘を暴く
トランプ政権はヴェネズエラ侵攻を「麻薬取締り」と「民主化」で正当化するが、その理屈は国際法と現実の動きに照らして破綻している。「ヴェネズエラ侵攻の何が問題か(1)――目的(独裁者打倒)は手段(侵略)を正当化しない」に続き、その欺瞞を検証する。 ※今回、途中から有料になります。 目次 * ヴェネズエラ侵攻におけるトランプ政権の「大義名分」 * 麻薬犯罪訴追論の支離滅裂 * トランプ政権による「マドゥロなきマドゥロ体制」
井上 達夫 ・
国際 ·一部会員向け
Coffee Break☕ ヴェネズエラ侵攻の何が問題か(1)――目的(独裁者打倒)は手段(侵略)を正当化しない
正月休みの後、本年最初の配信です。ウクライナ戦争論のまとめに入るつもりでしたが、日本でお屠蘇気分の続く中、米国は1月2日深夜から3日未明にかけて、かねてから威嚇してきたヴェネズエラ侵攻とマドゥロ大統領夫妻拘束を実行しました。本年元旦の朝日新聞のオピニオン欄で、国際社会における法の支配の危機に関する私のインタビュー記事が出ました(3日の朝日新聞デジタルに拡充版掲載 https://www.asahi.com/articles/ASTDM4V8YTDMUPQJ00FM.html)。その直後に、トランプがこの危機をさらに深刻化させるこんな蛮行に走り、平手打ちを食らった気分です。これはウクライナ戦争とも関係するので、後者についてまとめる前に触れざるを得ません。Coffee
井上 達夫 ・
国際 ·一部サポーター向け
ウクライナは支援されるに値する――正義は行われしめよ/ウクライナ戦争(10)
戦時下のウクライナでいま、「汚職との戦い」が揺れています。汚職糾明機関への統制強化に動いたゼレンスキー政権は、国民の猛反発を受けて、直ちにその独立性を回復させ、その後、閣僚や側近の汚職摘発により、内政上の試練へ。さらにトランプが「28項目和平案」で圧力をかけます。※今回、途中から有料となります。 目次 * ウクライナ政界における「汚職との闘い」の一進一退 * 汚職摘発はウクライナにおける民主主義と法の支配の強さの証である * ゼレンスキー政権の試練に付け込むトランプの「28項目和平案」 ウクライナ政界における「
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国際 ·一部サポーター向け
インド叩きに見るトランプの愚昧――正義は行われしめよ/ウクライナ戦争(9)
ロシア離れを進めつつあったインドに、トランプは「第二次制裁」として高関税を突きつけた。その結果、インドがロシアに再接近し、ウクライナ戦略を自壊させる事態になった。この事例の分析を通じて「ディールの天才」の盲点を追います。※今回、途中から有料となります。 目次 * インドに対するトランプの「第二次制裁」 * インドはロシア離れとウクライナ寄り姿勢にシフトしつつあった * インドのロシアへの再接近 インドに対するトランプの「第二次制裁」 米国がロシアに対する直接的な経済制裁を強化する代わりに、ロシアとの緊密な貿易によりロシアに戦争資金を与える国に対して「第二次制裁」
井上 達夫 ・
国際 ·一部会員向け
トランプはウクライナ戦争を止められるのか?――正義は行われしめよ/ウクライナ戦争(8)
「自分ならウクライナ戦争をすぐ終わらせられる」と豪語するトランプは、本当に平和をもたらせるのか。ウクライナの譲歩条件、西側と米国の役割、トランプ政権の方針転換を手がかりに、「戦争を止める」とは何かを考えます。 目次 * ウクライナ戦争終結の必須条件 * ウクライナに対する西側の「専守防衛」制約の緩和とトランプによる妨害 * トランプの姑息で自壊的な方針転換 ウクライナ戦争終結の必須条件 ウクライナはロシアの再侵攻を実効的に抑止する安全保障を西側が提供するなら、戦線の現状を一旦凍結し、領土問題を政治的交渉の課題にしてよいという譲歩の姿勢を示してきました。 しかし、ロシアは軍事力でウクライナを我が物にしようとする姿勢を崩していません。したがって、ウクライナ戦争を、
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国際 ·一部サポーター向け
忘れられたロシア国民の力――正義は行われしめよ/ウクライナ戦争(7)
ロシア国民は本当にプーチン政権に従順なのか――。戦争長期化で国内の不満が高まるなか、「国民は動かない」という前提そのものが誤解である可能性が浮上しています。歴史を振り返れば、ロシア社会は限界点に達した瞬間、大きな変革を起こしてきました。いま何が起きようとしているのかを考えます。※今回、途中から有料となります。 目次 * ロシア国民は本当に従順なのか * 反プーチン勢力のクーデターの可能性 * プーチンの「裸の王様」戦略 ロシア国民は本当に従順なのか トランプ米国大統領はやっとプーチンに騙されていたことに気付いて、ロシアに厳しい姿勢を取り始めたと思いきや、この11月20日に、またもやプーチンべったりの「28項目和平案」
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国際 ·一部サポーター向け
手負いのプーチンが越えられない一線――正義は行われしめよ/ウクライナ戦争(6)
本編のウクライナ戦争論に戻るにあたって一言。トランプ大統領はまたもやロシアに一方的に有利な「和平案」をウクライナに押し付けようとしていますが、これで持続可能な平和を実現できないことは、今後の配信で詳しく論じます。 こんな暗い状況の中で、一つ朗報があります。ウクライナ出身の安青錦(本名:ダニーロ・ヤブグシシン)が、大相撲九州場所で優勝しました。なんと初土俵から14場所目、21歳の若さでの偉業です。どんな強い相手に対しても一歩も引かず、押しの強さと「内無双」など技の多彩さで勝ちぬく安青錦の健闘ぶりは、ウクライナ人の堅忍不抜にして知略無尽な闘魂を証示しています。故国を離れた彼の思いは複雑でしょうが、
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政治
Coffee Break☕ 戦後80年のいま、高市首相発言と戦争責任を問い直す(2)
目次 * 昭和天皇はなぜ東條英機を首班にしたか * 誰も責任を取らない国家 昭和天皇はなぜ東條英機を首班にしたか 太平洋戦争の開戦に至った経緯については膨大な研究蓄積があり、歴史学者ではない私が簡単に答えられる問題ではありませんが、前回紹介した知人の質問に関して言えば、次の事実は、いまほぼ異論のない点かと思います。 昭和天皇は日米開戦を避けたいと思っていました。東條英機は自己の信条としては主戦論者でしたが、他方で、天皇絶対主義者でもありました。昭和天皇は日米開戦回避を皇族政治家たる近衛文麿に託しましたが、軍部の抵抗により、第三次近衛内閣が崩壊すると、開戦回避の最後の手段は、天皇への忠誠心の厚い軍人の東條に軍部を抑えさせることだと考えて、「天皇の御側用人」と言われた木戸幸一内大臣を通じて、東條に開戦回避が天皇の意向であることを伝えた上で彼を首相にしました。陸軍大臣としては第三次近衛内閣を崩壊させた東條も、
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政治 ·一部会員向け
Coffee Break☕ 戦後80年のいま、高市首相発言と戦争責任を問い直す(1)
Coffee Breakを二回続けて、本編のウクライナ戦争論に戻ろうと思っておりましたが、知人から私信で、「台湾有事は日本の存立危機事態になりうる」という高市早苗首相発言が惹起している論議の一環について質問を受けました。質問内容は多くの人々が関心を持つ重要な問題をめぐるものであり、本編でもウクライナ戦争とガザ戦争を論じた後で考察するつもりの「世界と日本のこれから」という問題にも関わっています。そこで、Coffee Breakをもうちょっと延長し、この知人の質問への回答を、若干ポリッシュアップして、皆さまと共有させていただきます。 目次 * 高市首相発言の何が問題か * 悪いのは東條英機ではなく、「勇ましい世論」か? 高市首相発言の何が問題か
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Coffee Break☕ 大沼保昭氏の「真剣な冗談」
前回の記事で、2018年にマイケル・サンデルの中国哲学に関する著書をめぐる国際シンポジウムに参加した経験について書きました。今回は、そのときの「ちょっと面白いエピソード」を紹介します。 このシンポジウムは、中国本土、香港、韓国から各1名、そして日本から私という、計4人のアジア系研究者がコメンテータを務め、サンデル自身が応答するという構成でした。なお、前回記事の最初の配信ではこのシンポジウム動画は英語の字幕しか見られないと書きましたが、これは誤りで、画面右下に表示されているボタンで、設定→字幕→自動翻訳→
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国際 ·一部会員向け
Coffee Break☕ マイケル・サンデルの「バーグルエン哲学文化賞」受賞に寄せて
10月に入ってから、毎週、ウクライナ戦争篇(1)から(5)までを、私としては勤勉に配信してきました。論理的にきっちり詰めた議論をしてきたつもりなので、読者の中には「ちょっと息抜きしたい」と思われる方もいらっしゃるでしょう。実は、書いている方もそうです。学会や研究会でもCoffee Breakという休憩時間は必ず入れるので、この連載でも、ウクライナ戦争の原因論を(5)で結んで、次に終結方途論を(6)から始める前に、ここで休憩を入れたいと思います。 目次 * サンデルの受賞と私の縁
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国際 ·一部サポーター向け
「挑発されざる戦争」とプーチンの自己保身戦略――正義は行われしめよ/ウクライナ戦争(5)
プーチンはウクライナへの軍事的威嚇だけで効果を得られたはずなのに、合理性のない侵攻に踏み切ったのはなぜか。その鍵は「対外硬、内に憂あり」の言葉にあります。内政問題を抱えた為政者が、国民の不満をそらし権力を維持するために起こす「挑発されざる戦争」とは?「プーチン体制の内側で何が起きているのか」に続く第5回。※今回、途中から有料となります。 目次 * 対外硬、内に憂あり * 軍事的威嚇の方が合理的だった * なぜ「挑発されざる戦争」を起こすのか
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プーチン体制の内側で何が起きているのか――正義は行われしめよ/ウクライナ戦争(4)
20年以上続くプーチン体制では、支持基盤に深刻な亀裂が生じています。40代以上はかつての経済復興の恩恵からプーチンを支持していますが、若い世代は停滞と腐敗しか経験していません。「プーチン宮殿」の動画で不正の情報を知った若年層の多くは、プーチンに批判的とされています。第3回「ネオ・ユーラシアニズムはプーチンの本心か」の続き。※今回、途中から有料となります。 目次 * エリツィン時代の混乱とプーチンの経済復興 * 「盗賊国家」としての実態 * 支持基盤の崩壊の恐れ * プーチン体制維持とウクライナ侵攻 エリツィン時代の混乱とプーチンの経済復興 プーチン体制はドミートリー・
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