皆さん、初めまして。飯吉透と申します。現在、京都大学で特に高等教育における教育イノベーション、オープンエデュケーション、教育工学に取り組んでいます。今回は自己紹介ということで、これまで自分の歩みと今後このニュースレターで発信していきたい思いなどをお伝えできればと思います。

私は日本の大学・大学院で教育工学を学んだ後、アメリカへ渡って教授システム学(Instructional Systems)の博士号を取得しました。その後もアメリカに留まり教育研究財団や大学などで働いた後、約15年前に日本に帰国しました。

私は学生時代から今に至るまで、新しいテクノロジーを活用して人がどのように学び、どのような教育・学習環境によってより自由でオープンな学びを支えることができるのかに興味を持ってきました。とりわけ、個々人に合ったいわば「カスタマイズされた学び」をどのように実現させられるかということに関心があります。

テクノロジーと教育の分野の3つの波

自分が教育の分野で取り組んできたことも併せて振り返れば、これまで大きな波が3回ありました。

まず、1970年代にパーソナルコンピュータが誕生し、それ以来、人がコンピュータを使って教えたり学んだりすることが可能になりました。これが最初の波です。

2つ目の波は1990年代のインターネットの登場で、私たちは様々な情報や知識をグローバルに発信・共有できるようになりました。

そして、2020年代にAI(人工知能)が日常的に利用できる形で瞬く間に世界中に普及し、社会の様々な分野で大きな影響を与え始めているのが3つ目の波であり、おそらくこれまでの中で一番大きな波だと言えるでしょう。

これまで私が実現を目指してきたのは、「より幸せに学べて、学ぶことでより幸せになれる世界」だったのではないかと思います。

AI時代の学びの環境

このAI時代にテクノロジーを使って、どのように多様に学べる環境を作り出せるか、どのように人々の知的好奇心を増大させ知的能力を拡張できるかを考えると、いつもワクワクします。

生成AIを例に取れば、「私たちの脳の代替」としてではなく「私たちの学びを応援し、脳を強化させるパートナー」として位置づけたいと思っています。

このニュースレターを通じて、これから皆さんと共に、ワクワクする教育と学びの未来の可能性を探求し切り拓いていければと楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。


次回予告
次回、テクノロジーと学習・教育方法によって、人々の環境による教育の格差をどう乗り越えていくかというテーマで話を始めます。